1.口腔内の構造
口腔内は上記の構造をしています。
◎口唇(コウシン)
唇のことです。上は上口唇もしくは上唇といいます。
下は下口唇もしくは下唇といいます。
◎口蓋(コウガイ)
上図の硬口蓋と軟口蓋とを合わせた部分を口蓋といいます。
上あごを、のどのほうにたどっていくと、軟らかくなるところがあります。そこより後ろの軟らかい部分が軟口蓋、前の硬い部分が硬口蓋です。発音・嚥下に大きな役割を果たす他、味覚にも大きく影響しているといわれています。
◎舌(ゼツ)
舌のことを歯科では「ゼツ」と呼びます。舌のほとんどが筋肉でできているので、様々な位置や形に動くことができ、食べ物を飲み込んだり発音したりする際に使われます。
また、舌の上には味蕾という味を感じる感覚受容器があります。
◎歯肉(シニク)
歯ぐきのことです。歯根を支える歯槽骨を覆っています。健康な歯肉はピンク色や淡い赤をしていますが、歯肉炎などになると濃い赤などを呈してきます。
◎口角(コウカク)
口唇の左右の端のところです。口角に炎症を起こし、荒れたり切れたりすることを口角炎といいます。
◎口蓋垂(コウガイスイ)
いわゆる「のどちんこ」と呼ばれる部分です。諸説ありますが、現在、役割はまだよくわかっていません。不要説もあります。口蓋垂が大きい人は気道が塞がりやすいため、いびきをかきやすいという特徴もあります。
◎上唇小帯
上唇と歯肉をつなぐスジの事です。これが前歯の歯と歯の間まで伸びてしまっている状態を「上唇小帯付着異常」「上唇小帯低位付着」と言います。
基本的には成長と共に、だんだんと前歯の間まで伸びている上唇小帯はあがってきて問題なくなるので、乳歯の時には気にしなくても大丈夫ですが永久歯に生え変わっても変わらないようであれば問題になる場合もあります。
その場合には処置したほうがいい場合もありますので、歯科医に相談しましょう。
◎下唇小帯
上唇小帯と対をなすもので、下唇と歯肉をつなぐスジの事です。