The Defect 欠損部の治療

2.虫歯のでき方


まず、虫歯ができるためには以下の4つの要素が必要になります。

  • 歯質
    つまり歯の事です。当たり前のことですが、歯がなければ虫歯にはなりません。
  • 細菌
    虫歯菌が出す酸で歯が溶かされるのが虫歯です。この虫歯菌は口腔内常在菌といい、誰の口の中にも常に存在しています。

  • 食べ物の磨き残しの中の糖が虫歯菌の餌になります。糖を栄養として虫歯菌は繁殖し、歯垢(シコウ;プラークとも言います)を形成し酸を出して虫歯を作ります。
  • 時間
    上の3つの要素が重なる時間が長ければ長いほど虫歯になりやすくなります。

つまり、この4つの要素が重なってしまうと虫歯になってしまいます。
では虫歯のでき方を説明していきます。


細菌

細菌



糖分

糖分


歯垢

歯垢

磨き残しの糖分を虫歯菌が栄養として食べることで、ネバネバした歯垢(プラーク)という虫歯菌の巣を作ります。この歯垢で虫歯菌は繁殖していきます。

虫歯

虫歯

歯垢の中に住み着いた虫歯菌は、糖を栄養として活動的になり、酸を作り出してその酸が歯を溶かします。これが虫歯の始まりです。

上記の4つの要素以外に、唾液も虫歯に大きな影響を与える要因です。
唾液は歯の表面についた汚れを洗い流したり、虫歯菌の出す酸を中和したりします。
しかし、唾液は夜寝ているときはあまりでません。
(朝起きたら口がからからなのはこのためです)
そのため、虫歯は夜寝てるときに最もできやすいのです。
夜寝る前の歯磨きが一番大事です!!

◎その他の(間接的な)原因

直接的原因である歯垢をなくしてしまえば虫歯にならないのですが、同じように歯を磨いている人でも虫歯になりやすい人とそうでない人がいます。
これは、生活習慣や口腔内の環境に個人差があるためです。
虫歯になる間接的な原因には以下のようなものがあります。

[唾液]

唾液は、上でも述べたように歯の表面についた汚れを洗い流したり、虫歯菌の出す酸を中和します。
そのため、唾液が少ない人は虫歯になりやすい傾向があります。

[生活習慣]

生活習慣の中でも、特に食生活は虫歯のできやすさを左右する大きな要因になります。
まず、飴やソフトキャンディーなどを好む人やジュースやスポーツドリンクなどの清涼飲料水などを好む人は虫歯になるリスクは高くなります。
また、食事や間食の回数や時間帯にも虫歯のリスクは左右されます。
寝る前に飲み食べする人や間食の回数が多い人も虫歯のリスクは高くなります。

[歯並び・矯正]

歯並びが悪い場合や、矯正治療中にワイヤーなどの装置が口に入っている場合、どうしても磨きにくい部分ができてしまい、磨き残しができやすくなります。その結果、磨き残しがある部分は虫歯になりやすくなります。

[歯の質]

人によって病気になりやすい人となりにくい人がいるように、虫歯にもなりやすい人となりにくい人がいます。歯の質に強い弱いがあるのです。
そのため、同じように歯みがきしても虫歯になりやすい人となりにくい人がいます。

~ワンポイント~

歯垢(プラーク)は、様々な細菌が磨き残しに繁殖してできるものです。歯垢を除去するには、機械的な清掃が最も効果的です。つまり、しっかり歯ブラシをあてて歯磨きをすることが重要となります。
虫歯のなりやすい部位「としては隣接面、咬合面の溝などがあります。
そのようなところをいかにしっかりと磨けるかが大切になります。

[脱灰と再石灰化のバランス]

脱灰(だっかい):歯が溶ける→虫歯になる方向
再石灰化(さいせっかいか):歯を元に戻す(唾液やフッ素の作用)

脱灰と再石灰化のバランス

一日うちで口腔内が酸性(PHが低い状態)になると虫歯になりやすくなります。

PH

間食の回数が多いこと、だらだら食事することや寝る前にお食事するは、口腔内が酸性になることが増え、虫歯のリスクを高めます。規則正しい食生活も虫歯の予防には大切なことです。