Dysphagia 摂食・嚥下

2.摂食・嚥下の障害とは?

①先行期(認知期)の障害

視覚や触覚や運動機能の障害により、食物を口に入れることが出来ないなど自分で食べることが出来なくなります。また、認知機能に障害がある場合、どのように食べるか、食べたかどうか分からないなどの症状がみられます。

②準備期(咀嚼期)の障害

唇の動きが悪く食物がこぼれ落ちる、歯の欠損や舌・頬の運動の協調不足、唾液量の減少により、咀嚼がうまく出来ず、食塊を上手に作ることが出来ません。
虫歯や歯周病だけでなく、歯の欠損部位に対する治療をきちんと歯科医院で行っておくことで、咀嚼機能を回復することができます。また、歯科医院での治療や検診だけでなく毎日のセルフケアをしっかりと行うことで、虫歯や歯周病で歯を失わないようにすることが非常に大切です。

③口腔期(嚥下第一期)の障害

食塊を後方に移送することが出来ないため、嚥下反射を誘発させることが出来ないもしくは、誘発するまでに時間がかかったりします。結果的に、食事に非常に時間がかかることになります。

④咽頭期(嚥下第二期)の障害

咽頭や喉頭周辺の筋や器官の運動麻痺・感覚麻痺によって、複雑な協調運動が崩れることで誤嚥や咽頭残留が発生します。食事中に限らず頻繁にムセたり、日常的に痰が絡みごろごろした声になるなどの症状を認めます。準備期における食塊の形成能力によっても、影響を受けるとされています。

⑤食道期(嚥下第三期)の障害

食道の蠕動(ぜんどう)運動の低下により、食物がのどにつかえたり、逆流を起こしておう吐したり、逆流したものを誤嚥してしまったりします。